ローカル大会に行ってきました(1)

3月1日、某所のローカル囲碁大会に参加しました。
この大会は級位者限定で、4局(申請級位によっては6局)の成績で級位が認定されます。私が参加するA級戦(1級〜5級)では4局中2勝すると申請した級位に認定され、3勝〜4勝すると申請級位よりも1級上に認定されます。この「1級上」というのが本大会の特色で、頑張れば望外の昇級(1級申請者は全勝で初段認定)も可能です。
2月の初春段級位認定大会で4級に認定されましたので、今回は3級と申請しました。目標の初段に近づくべく、A級の精鋭級位者との対局が始まりました――
なお予めお伝えしますと、今回は文章が長いです。ご了承ください。
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【一回戦・W3級:互先コミ6目半、黒番
前大会の最終戦に続き……このW氏も小学生でした。とはいえ年下相手の対局も経験済みですので、平常心で対局に臨めました。
しかし布石で早々と、大ポカをしました。相手の星に三々入りしたものの、ウッカリで全滅してしまったのです。さらに終盤でも大石が死に、二つのミスでW氏の勝勢となりました(言い訳を許してもらえるならば……「30分切れ負け」というルールに馴染めず、終盤で大慌てになってしまったのです)。
結果:39目半負け
もったいない形で負けたこともあり、残念な一局でした。局後にトイレで「負けた、きついな……」とこぼしていると居合わせたある紳士、「大丈夫ですよ、命を取られるわけではないですから」。あたり前のことに気づき、とても気持ちが落ち着きました(どこのどなたか存じかねますが、ありがとうございました)。
【二回戦・I4級:定先コミなし、白番
(山城宏九段とそっくりの)I氏との対局では――初戦に続いて――星+小目としました。本局では時間で慌てないよう、なるべく早めに打つこととしました。
しかしかえって布石が雑になったのか、中央への進出が少し遅れました。また荒らしに行ったはずの大石が蛇状に細くつながるばかりで、ほとんど地を得られなかったのです。I氏は私の大石を攻めつつ模様を地とし、いつの間にか盤面で大差負けの状況になっていました。
投了も頭をよぎったところ、対局時計(デジタル式)の音が鳴りました。I氏の残り時間が1分を切ったのです。しかしI氏の慎重な打ちぶりは変わらず……ついに時計が「0」を表示しました。
気づいたI氏は「切れちゃったか。時間の使い方を考えないと。いい経験になりました」と明るい表情でした。私はというと……結末が結末なだけに、終局後も複雑な気持ちでした。
結果:黒番時間切れ負け(筆者の勝ち)
【三回戦・O4級:定先コミなし、白番
今回のベスト対局を挙げるなら、この一局です。『怒涛の譜』を読んだからではないでしょうが……加藤正夫先生を真似たかのような碁となりました。
変わらずの「星+小目」の出だしで、小目へカカってきた相手とのツケヒキ定石も決まりました。しかしこの定石で一間トビをした側の辺にも相手が打ち込んできたため、ツケヒキ一団が挟撃される形となりました。やむなく中央へと進出したものの、両方から攻められて不満でした。
さて「打ち込んできた」側の石を見ると、(三線で二間にヒラいているものの)根拠が弱そうだと気づきました。そこでこの一団をまず包囲し、全て殺す作戦を実行しました。包囲網が破れはしないか、ツケヒキ一団が殺されはしないかと心配しましたが、なんとか包囲に成功しました。包囲された側は一眼+コウのみとなり、最終的に四十数子を仕留めることに成功しました。
この後は小競り合いが続きましたが大勢に影響はなく、さきほどの大石殺しが本局の勝因となりました(逆にこの大石が生きていたら、O氏の勝ちだったようです)。
結果:中押し勝ち
本局を打っている最中、加藤正夫先生の顔が何度も頭に浮かびました。アマの級位者に過ぎませんが、大事な対局で「殺し屋」になれたのが嬉しかったです。
【四回戦・S3級:互先コミ6目半、白番
既に2勝を挙げたため、申請の3級認定が決まりました。となると次の相手とは互いに「1級上」を懸けた対局に……と思いきや、S氏はここまで3戦全敗でした(この大会はスイス方式を採用していないようです)。「私に勝って2級になれますよ」と、対局前のS氏。この言葉や相手の戦績もあって、「相手に花を持たせようかな」と一瞬だけ考えました。
最低限の目標を達成したこともあり、プレッシャーはありませんでした。前3局に続き星+小目でもよかったのですが、折角なので伝家の宝刀(?)「両三々」で臨みました。
Sさんの碁は丁寧で、良い手も打つのですが、見落としが度々ありました。それに助けられて(両三々だというのに)大模様を張ることができました。さらに相手の星に三々入りした石も(今回は)確実に地を稼ぎ、形勢判断に疎い私でもリードしているとわかる展開となりました。
S氏は局面を変えるべく、こちらの模様内に打ち込んできました。しかし両三々が控えているため隅には打てず、辺から窮屈にヒラく形となりました。結果として一眼のみで封殺し、後はS氏の石を可能な限り殺して終局となりました。
結果:中押し勝ち
【成績について】
過去の大会では一回戦の勝率が悪く、今回も黒星スタートとなりました。二回戦も三回戦も油断できない碁でしたが、運も向いて勝つことができました。今回の結果は、上出来というほかありません。
審判長を務めた某棋士が閉会式で、「勝ちも負けも半分ずつですから……」とおっしゃっていました。自分が勝てたのは相手があってのことなので、認定に驕らず、今後も囲碁の勉強を少しずつ積み重ねていきます。

大会結果:3勝1敗、規定により2級認定