【原文】 神無月のころ、栗栖野という所を過ぎて、ある山里にたづね入ること侍りしに、遥かな苔の細道をふみわけて、心ぼそく住みなしたる庵あり。木の葉に埋もるる懸樋のしづくならでは、つゆおとなふものなし。閼伽棚に菊・紅葉など折り散らしたる、さすが…
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