「みことの一手!」第13話を読む(2)

 加藤は、まず大竹を破って自信を得、林にも勝って、その自信をさらに大きなものにしていた。
 小林光一は「棋士にも早熟型と晩成型があり、晩成型は結果が出るまでが苦しいけれど、一度、いい結果が出ると、それまでたまっていたものが一気に噴き出す」と話す。
 それからというもの、加藤は吹っ切れたように勝ち始める。それは加藤時代の幕開きだった。
_
(『精魂の譜』(有水泰道/誠文堂新光社/2006年)186ページ。「加藤」こと加藤正夫は1976年の碁聖戦大竹英雄を破り、同年の十段戦林海峰を破った。)

前回に続き、第13話の感想を綴ります。いつものように箇条書きで記しますが、本編の引用が一部あることをお許しください。
−−−−−
・「この物語は」(183ページ4コマ目)
→世界が核の炎に包まれたのかと思うぐらいの急展開でした。
・葵(さすがなのです!)
→いやいや、違うでしょ。
・蛍「29手目の押しから〔略〕」
→その棋譜を見てみたいです(モデルとなった対局があるのでしょうか)。
・華子「絶望的なまでに遠い/一目半…」
→アマ高段者ともなると、一目半は大きな差なのでしょうね。
・葵(蛍ちゃんさんなにげに声真似上手い…!)
→聞いてみたかった。
・みこと「囲碁部があるから…!」
→第2話のときは口ごもっていたけど、これも自信のなせるわざか。あと、しのちゃんお久しぶり。
・葵(先輩たちと/同じ世界に…!)
→このコマの……というか、前回の涙から、葵ちゃん大人っぽいですよね。
・文香「四十級を目指すのです!」
→文香ちゃんだけは相変わらずで、安心しました。
・みこと(あ…/大斜定石…)
→ああ……第1話以来の……でも、(次項に続く)
・みこと(私の思う最善手を打てばいいんだ!)
→前回とは違う碁に。みことちゃんの成長を最も実感した場面です。
・蛍(だから/今度は私が…!)
→このコマに限らず、このページの実に爽やかなこと。
・欄外「『みことの一手!』は今号で最終回です。本作を連載化・単行本化(まだ製作中ですが)できたのは読者の皆様が応援してくださったおかげです。これまでのご愛読、本当にありがとうございました!!
1月27日発売の単行本も、是非お読み頂ければ幸いです。」
→こちらこそ、ありがとうございました。単行本を楽しみにしています。