「駑馬十駕」

第53期十段戦で、挑戦者の伊田篤史八段が十段位を獲得しました。21歳という年齢もさることながら、入段から6年0か月という速さに驚いています。
さて詳報が知りたくて、今日付の産経新聞を手に入れました。碁の内容はよくわかりませんが、人物紹介の記事(2面「きょうの人」)に興味深い文章があったので紹介します。

 サインを求められると「十駕」と揮毫する。中国の古典「荀子」にある言葉「駑馬十駕」(鈍い馬でも10日走れば優れた馬の1日分くらいは走れるという意味)で、努力すれば才能ある者に並ぶことができるという教えを肝に銘じるためだ。

伊田先生ほどの棋士が十駕したらアマの100日分くらいになってしまう……というのは冗談としても、努力を続けることの大事さを改めて認識しました。と同時に「駑馬十駕」という熟語が印象に残り、座右の銘にしたくなりました(※)。
このごろ公私にわたって課題が山積していますが、「駑馬十駕」の精神を忘れないようにします。
※ 駑馬を含む熟語に「策駑馬(駑馬にむちうつ)」というのもあります。努力することを謙遜する意味があるそうです。