「級位者棋力認定大会」に参加しました

9月22日、「級位者棋力認定大会」日本棋院有楽町囲碁センター)に参加しました。
この大会は4回戦(スイス方式)で2勝以上すれば、申請した級位に認定されます。3月の大会で1級に認定されませんでしたので、今回も1級に申請しました。目標の初段に近づくため、また前回の雪辱を果たすため、有楽町に集う上級者との戦いが始まりました。
なお予めお伝えしますと、今回は文章が長いです。ご了承ください。また今回はすべて1級申請の方と対局しましたので、手合いは「互先、黒番6目半コミ出し」です。
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【一回戦・F1級:白番】
Fさんは物腰柔らかい紳士で年下の私にも優しく接してくださったので、気持ちよく対局できました。しかし碁は激しく、布石から大模様を張ってきました。
私は星+小目小ゲイマジマリや三々入りで少しずつ地を稼ぎましたが、Fさんの模様が大きすぎるので打ち込んで勝負を求めました。結果として模様内で生きることに成功し、大過なくヨセて終局となりました。
結果:13目半勝ち
幸先よく1勝しました。あと一つで1級認定となりますが、決して楽観はしませんでした。前回の大会で「あと一つ」を果たせず、認定されなかった経験があるからです。
【二回戦・N1級:黒番】
1勝同士、勝った方が認定される大一番ということで気合が入り……ませんでした。トイレから会場に戻ったら対局組合せが既に発表されていて、Nさんが座っていたのです。「お待たせしました」と言いながら着席する慌てようでしたが、それゆえ気負いなく対局に臨めたのは幸いでした。
前局に続き、星+小目小ゲイマジマリの出だし。Nさんは二連星ということでお互いにワリウチをしたものの、こちらは二立二析の窮屈な形に。「辺だけで生きるだろうな……」と思いつつ中央に進出すると、Nさんが猛然と封鎖を試みてきました。後述しますが、このあたりで双方の見解にズレがあったのです。
さて二立二析の一団は封鎖されかけましたが、相手の見落としからの両アタリで脱出に成功しました。しかし中央志向の白は手強く、中盤までどちらが勝っているのか判らない状況でした。
結果として二立二析の一団は二眼を確保し、最後は白の模様の欠陥を突く形で大石を仕留めることができました。
ところで局後の検討で、二立二析の一団が辺だけでは生きられなかったことが判明しました。二線でハネれば大丈夫だと思っていたのですが、並べてみたら方形の四眼(死に形)しか残りませんでした。「辺だけで生きると思わなかった」というNさんの見解どおりでしたが、それに気づかぬまま楽観していたのが勝ちにつながったのですから幸いとしか言いようがありません。
結果:中押し勝ち
午前中に連勝し、早くも1級認定となりました。
まずは安堵し、次第に嬉しさがこみ上げてきました。前回の悔しさ、碁会所の連敗、以前よりも真剣に碁の勉強に取り組んだ日々、そういった諸々の出来事が思い出されて、
昼休みに泣きながら食事をしました。
【三回戦・J1級:白番】
既に認定が決まったため、気楽なものでした。負けてもいいので好きなように打ってみようと、両三々で始めました(Jさんは三連星でした)。
しかし布石で失敗したのが響き、中盤で大差がついたようでした。普段なら気持ちが動揺して自分を責めるところですが、不思議と本局では落ち着いていました。「あ、負けたかも……」と思ったぐらいで、後半は淡々と打ち続けました。インテリ然としたJさんの着手は最後まで的確でスキがなく、果たしてどれぐらいの差がついたのかな……と思いながら整地しました。
「1目半ですね」
Jさんの言葉に、耳を疑いました。もっと負けていると思ったからです。Jさんも同感だったらしく「もっと勝っていると思った」そうです。
惜しい結果でしたが、悔いはありませんでした。(借り物の知識ではなく)自分が考えた手を打ち続けたので、納得のゆく敗局でした。
結果:1目半負け
【四回戦・Y1級:黒番】
この大会は2勝以上で級位免状を申請できますが、3勝だと半額(4勝だと無料)で免状を得ることができます。
ということで免状半額がかかったこの一局、特別に気合が入り……ませんでした。全額だろうと半額だろうと、免状を申請するつもりでいたからです。むしろ問題だったのは、相手が小学生だったことです。過去の大会で打った子供がいずれも手強く、子供との対局に苦手意識があったためです。Y君も例外ではなく、早打ちなうえに力強い手を打つ強敵でした。
しかし私も負けてられません。開き直ったこの一局、伝家の宝刀「両三々+天元からキリ連発の碁で対抗しました。孤立した辺の一団が死にそうになりましたが辛くも二眼を確保し、逆に相手の一団を三目ナカデで仕留めてポイントを稼ぐことが出来ました。それ以外の部分ではお互いに大きなミスもなかったため、これらの死活が勝負に直結したようです。
持ち時間40分切れ負けのルールだというのに、お互いに10分ぐらいしか使わぬまま終局しました。双方の直感と気合がぶつかり合った、真っ向勝負の碁でした。
結果:17目半勝ち
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【大会を終えて】
ひとまず、安心したというのが正直な気持ちです。
前回の大会では認定されず、碁会所では連敗し、「幽玄の間」ではなかなか昇級できず……と、この半年は碁で苦しむ場面が重なりました。しかしだからこそ、碁に対する取り組み方を見直すことができました。
相変わらず対局は少なめですが、布石や定石の勉強を増やすことで序盤の力をつけました。また棋譜並べを取り入れることでお手本に接し、碁の視野を広げることができました。もちろん、「Go-Up!」の存在も忘れることができません。実のところ、サイトマスターや○○○先生との出会いがあったからこそ、挫折することなく碁を続けることが出来ました。ブログ上ではありますが、お礼を申し上げます。ありがとうございます(今後ともよろしくお願いします)。
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課題は散見されるものの、目標の初段まであと1歩となりました。
だからこそ、宣言します。
今年か来年、絶対に初段になります!!