26日の対局(補足)
友野「ああ、何が悪かったのか……」
飯塚「うーん、友野君」
友野「はい」
飯塚「先日の対局について見せたいものがあるんだが、いいかな?」
友野「……わかりました」
飯塚「これは……」
野田「おい」
飯塚「うん、どうした?」
野田「どう見ても、友野がどとう氏と打った碁の途中図だろ」
飯塚「そうだね。しかしこれは『布石小事典』(日本棋院)にも載っている手順だよ」
友野「!?」
山西「どういうことですか」
飯塚「友野君は●7がヒラキ過ぎだとか○12で相手を固めてしまったとか嘆いていたが、これ自体はれっきとした一つの布石だよ」
友野「……!」
飯塚「『小事典』には、こう書いてある」
黒にツメられたとき、ヒラキを8まで進め、カカリを兼ねることもできます。黒9なら白10から12と構える。白は後手を引きましたが、それだけにガッチリしています。*1
友野「知らなかった……」
飯塚「何も悪くなかったんだ。強いていうなら、次の●13でカカリやワリウチではなくAと打ったのが重複気味だったかな」
山西「じゃあ、○6のワリウチに「星の側からツメることが多いとある」と友野が言ったのは何だったんだ?」
飯塚「うーん、これのことじゃないかな」
小ゲイマジマリから十分なヒラキを与えたくないと思うなら、ワリウチの地点をシマリの方へずらすことが考えられます。黒Aはちょっとせまいので打ちづらい。
今度は黒7からツメ、白8のとき黒9と右上の模様を広げることになるでしょう。しかし、黒7でAの開きが悪いとはいえません。*2
山西「ああ、右上隅とワリウチが違うのか」
友野「そうか、この三々の図と間違えたんだ」
飯塚「そうだね。しかし実戦で打った手は印象に残りやすいから、こんど同じ局面が出たら大丈夫だろう」
友野「じゃあ、次にどとう氏と打つときはこの手順で打ってもらおう」
野田「おいっ!!!」