「ゆかりちゃん」vs.「○○(Lv.6)」(対抗戦・3)

7月26日、「囲碁九路盤ゲーム」vs.「Go-Up!」対抗戦
第二回戦・第1局


黒・「ゆかりちゃん」‐白・「○○(Lv.6)」(コミ5目半、日本ルール)

友野「今回は対抗戦の第二回戦「ゆかりちゃん」vs.「○○(Lv.6)」をお送りします。先生、この両者はある程度の棋力がありますね」
飯塚「うん、黒番の「ゆかりちゃん」は石のつながりを重視する堅実な碁だね。白番の「○○」さんは攻めが得意な勢いのある碁だけど、盤面を狭く見てしまうことがあるね」
友野「といいますと?」
飯塚「一ヶ所の攻防に目が行ってしまって、盤面全体で損をしてしまうんだよ」
友野「わかりました。それでは対照的な棋風をもつ両者の対局をお楽しみください」


第一譜、●13(B3)まで
アゲハマ、なし

友野「ということで第一譜ですが、盤を半分で割ったような局面になりました」
飯塚「ゆかりちゃんはオーソドックスに小目からだけど、○○さんは辺から始めて意欲的な布石だね」
友野「白は下辺を大きく占めるつもりでしょうか」
飯塚「そうだね。ただ○10のときにAに入りたかったね。○12も消極的で、●13のケイマを許したのが白としては痛かった」


第二譜、○28(G4)まで
アゲハマ、なし

友野「黒が攻勢を保ったまま、ほぼ境目が決まりました」
飯塚「結局、左上が大きかったね。これだと黒がコミを出しても勝てる」
友野「そこで白が反撃に出ました」
飯塚「黒は注意が必要だね。ゆかりちゃんが守り切れるかどうか、最後の勝負だ」


終局図、○40(G9)まで
アゲハマ、なし


黒番、3目半勝ち
(中国ルール:黒番、半目勝ち)

友野「はい、ということで黒のゆかりちゃんが第1局を制しました」
飯塚「正しい応手だったね。このあと白がどう打っても、攻め合いは黒が勝つね」
友野「さて本局は中国ルールだと半目とのことですが」
飯塚「うーん……なんでだろう」
野田「おいっ!!」*1
飯塚「うん、まあ結果が同じならまずは良しとしよう」
友野「先生、ありがとうございました。それでは続いて、第2局の模様を御覧ください」


第二回戦・第2局


黒・「ゆかりちゃん」‐白・「○○(Lv.6)」(コミ7目半、中国ルール)

第一譜、○8(C3)まで
アゲハマ、なし

山西「先生、これ石が飛んでますね」
飯塚「うーん、ゆかりちゃんは意外と積極的な棋風だな」
野田「おいっ!!!」
飯塚「勢いのある黒と、手堅い白。最初の紹介とは逆の布石だね」
山西「この○8ってどうなんですか」
飯塚「うーん、これはどうするつもりだろう。隅で生きるのか、右とつなげようとするのか……」


第二譜、○16(E2)まで
アゲハマ、なし

飯塚「うーん、これは技ありだね」
野田「ほう?」
山西「上辺の白がつながっただけじゃないですか」
飯塚「うん、たしかにそうだ。しかしここで黒が●7を助けようとしてAに打つと、白B・黒C・白Dで一団が全滅になる」
山西「!」
野田「お、おいっ!!」
飯塚「これは驚いたね」


終局図、○46(D3)まで
アゲハマ:黒2(○38:A1、○42:E7)、白3(●7:F2、●31:B1、●39:H8)


白番、8目半勝ち
(日本ルール:白番、6目半勝ち)

山西「黒は上辺で、一子を捨てざるをえなかったですね」
飯塚「賢明な判断だ。最終盤にコウが発生したけど、大勢に影響はなかったな」
山西「○8を働かせた白の勝利ですね」
飯塚「そうだね。逆に黒は石が伸びてスキが生じたようだ」
山西「勉強になりました、先生ありがとうございました」

第1局:黒勝ち
第2局:白勝ち

第二回戦の結果:引き分け


山西「面白い碁だった」
野田「おい、友野はどこ行った」
山西「第三回戦の準備をしているはずだが……いた」
野田「ほう」
友野「○○○先生ハァハァ……」
野田「おいっ!!!!!」

*1:実は筆者、中国ルールを正確に理解していないまま「Go-Up!」を打っています。