「おわせんせい」vs.「○○○(Lv.9)」第2局(対抗戦・5)

【おことわり】
本記事では「第三回戦・第2局」を紹介します。第1局は掲載済みですので、あらかじめ7月27日付「「おわせんせい」vs.「○○○(Lv.9)」第1局」をご覧ください。


   はてなダイアリー「幽玄日記」管理人・tmn440

山西「そうそう、第1局を細かく譜分けしたから第2局と一緒にできなかったんだよな」
野田「まったく。それより友野はまだ休んでるのか」
山西「第1局の結果を聞いて、ショックで寝込んでる」
野田「おいっ!!」

7月27日、「囲碁九路盤ゲーム」vs.「Go-Up!」対抗戦
第三回戦・第2局


黒・「おわせんせい」‐白・「○○○(Lv.9)」(コミ7目半、中国ルール)

山西「……まあ、ということで本局も聞き手を担当します」
飯塚「うん、よろしく」


第一譜、○8(F6)まで
アゲハマ、なし

山西「……えっ?」
飯塚「うーん、これはこれは」
野田「なんだこの布石」
飯塚「うーん、上下の黒を分断するつもりだったか。しかしどちらの黒も一間トビで安定している」
野田「また作戦失敗か」
山西「どうだろう。黒の次の一手は……」




(筆者注・右下をご覧ください)


山西「えええっ!?」
野田「おいっ!!!!」
飯塚「うん?」
山西「序盤でパス?」
飯塚「うーん、勝利宣言かな」
野田「おいっ!」


第二譜、○18(B6)まで
アゲハマ、なし
※黒9はパス

飯塚「うーん、おわせんせいの読みは深すぎて我々の理解が及ばないな」
野田「おいっ!!」
山西「どう見てもバグの類だと思いますよ」
飯塚「しかし連勝が懸かった一局でねえ」
山西「だって形勢が逆転しましたよ」
野田「これ、○18はどうなんだ。F4にツゲばコミ分で勝ち切れるだろ」
飯塚「うーん、たしかに。この手は勇み足に見えなくもないんだが」


第三譜、●25(D6)まで
アゲハマ、白1(●17:B5)
※黒9はパス

野田「ほら、白が分断された」
山西「隅を利用して生き延びるつもりだろ」
野田「右辺を荒らされても知らんぞ、まだF4が開いてるんだから」
山西「フリカワリで良しってことでしょ」
飯塚「……」
山西「先生?」
飯塚「うーん……これはひょっとすると大変な碁になるかもしれない」
野田「ほう?」
飯塚(○○○先生は、黒を全滅させるつもりか……?)


第四譜、●35(H5)まで
アゲハマ、白1(●17:B5)
※黒9はパス

山西「先生、左の白は大丈夫ですか」
飯塚「オイオトシとナカデの危険性があるから、まだ安全ではないね」
野田「危なっかしい形をしてるよな」
飯塚「うーん、○○○先生の読みは深すぎて我々の理解が……」
野田「おいっ!!!」
山西「対して黒は35と打ち込んできましたが」
飯塚「右辺だけで生きるのは無理だろうけど、一団の黒と協力出来たら面白いことになりそうだ」
野田「ほう」
飯塚「ならなかったりして」
野田「おいっ!!!!」


第五譜、○46(G9)まで
アゲハマ、黒1(○34:F1)、白1(●17:B5)
※黒9はパス

山西「先生、どうなってるんですかこれ?」
飯塚「うーん……白としてはコウを辞さずといったところかな」
野田「それにしては断点が多すぎだろ。下手したら右側の白も危ないぞ」
飯塚「うん、二眼の確保が怪しくなってきた……右上隅を黒に突破されたら、逆転もあり得る」


第六譜、○56(I4)まで
アゲハマ、黒2(○34:F1、○42:H1)、白2(●17:B5、●45:F9
※黒9はパス

山西「下辺!?」
野田「そっちかい!!」
飯塚「これで白はほぼ全体がつながった」
山西「どうして●55でワタらなかったんですか」
飯塚「うーん、そうだね。なんで○56の所に打たなかったんだろう」
野田「先生が解説に困ってどうする」
飯塚「どうみても●55は悪手だろう。強いていうなら……」
野田「?」
飯塚「パスしたかったのかな」
野田「おいっ!!!!!」


終局図、○66(B8)まで
アゲハマ、黒8(○4:C5、○20:B4、○26:B3、○32:A2、○34:F1、○38:B1、○42:H1、○60:A3)、白2(●17:B5、●45:F9
※黒9はパス


白番、14目半勝ち
(日本ルール:白番、11目半勝ち)

山西「ということで、第2局は○○○先生の14目半勝ちでした」
飯塚「うん、盤全体にわたって戦ったスリリングな一局だった」
山西「振り返ってみると、おわせんせいのパスが敗因だったようですが」
飯塚「うん。しかしそれよりも本局は、碁が囲い合うだけのゲームではないことを示してくれた好局だったと思う。このダイアリーを御覧の方でもし初級〜中級の方がいたら、この碁を並べてみると面白いと思うよ」
野田「黒9のところはどうするんだ」
飯塚「パスしなさい」
野田「おいっ!!!!!!」
飯塚「……というのは冗談として、「もし自分が黒なら9をどこに打つか」を考えてみるのも良いだろう」
山西「先生、どうもありがとうございました」

第1局:黒勝ち
第2局:白勝ち

第三回戦の結果:引き分け

山西「いよいよ、次は最後の対戦か」
野田「おい、友野はどこ行った」
山西「体調は良くなったと思うが……あれ、書置きがある」
野田「ほう」

第四回戦の「助っ人」に注意されたし
   Mr.X

野田「おいっ!!!!!!!」
山西(なんなんだ……)